2026-07-31
学校の歯科検診で「要受診」の通知が来たら、まず何をすればいい?

新学期が始まって、学校から歯科検診の結果票が配られるこの時期。「C」「CO」「G」……見慣れないアルファベットが並んでいて、「これって、どのくらい急いで歯医者に行けばいいの?」と戸惑う保護者の方、本当に多いですよね。上宮高校や夕陽丘高校の近く、上本町エリアの保護者の皆さんからも、この時期になるとよく同じご質問をいただきます。結論からお伝えすると、記号によって対処の優先度は大きく違います。この記事では、一つひとつの記号の意味を丁寧にひも解きながら、「次にどうすればいいか」を一緒に整理していきましょう。
学校歯科検診の結果票に書かれた記号の意味、正しく読めていますか?
そもそも学校歯科検診は何のために行われているの?
学校歯科健診は「学校保健安全法」に基づいて毎年実施される定期健康診断の一部で、学校生活を送る上で支障となるような歯や口腔の疾病・異常を早期に発見し、適切な対応につなげることを目的としています。
ここで大切なポイントがあります。学校歯科健診は「スクリーニング(ふるい分け)」であり、「確定診断」ではありません。短い時間の中で多くのお子さんを診るため、「詳しく調べたほうがよさそう」というサインを見つけるのが主な目的です。結果票の記号は「〇〇だ」という確定的な診断ではなく、「歯科医院で改めて確認してみてください」というバトンのようなものと捉えていただくとわかりやすいですよ。
結果票の構成を把握しよう
結果票には、歯の図(歯式)と記号がセットで書かれています。主に使われるアルファベットは「C(むし歯・要治療)」「CO(要観察歯)」「G(歯肉炎・要治療)」「GO(歯周疾患要観察者)」の4種類。平成7年4月より学校保健法の施行規則改正に伴い、それまでのC1〜C4の4段階分類に加えて、初期う蝕の可能性があるCOの概念が導入されました。このCOの追加が、保護者の方に「いったいどういう意味?」と思わせる一因になっているんですよね。
「異常なし」以外はすべて受診が必要?
いいえ、記号によって対処の方法は異なります。「CO」「GO」は「要観察」であって「要治療」ではありません。一方、「C」「G」と書かれていれば、歯科医院への受診を急ぐ必要があります。この違いを次のセクションで詳しく見ていきましょう。
「CO」「C」「G」「要治療」の違いと、それぞれの対処の優先度
記号が何を意味するのか、表で整理してみました。
| 記号 | 意味 | 状態の目安 | 受診の優先度 |
|---|---|---|---|
| CO | 要観察歯(初期う蝕の疑い) | 穴は開いていないが、白濁・褐色斑あり | 1〜2ヶ月以内に受診 |
| C | むし歯(要治療) | エナメル質に実質的な穴(う窩)あり | なるべく早く受診 |
| GO | 歯周疾患要観察者 | 軽度の歯肉炎、歯石なし | 1〜2ヶ月以内に受診 |
| G | 歯肉炎(要治療) | 歯肉の発赤・腫脹・出血が明らか | なるべく早く受診 |
「C(むし歯)」はどんな状態?
C(カリエスの頭文字)は、歯に実質的な穴(う窩)が確認された状態です。むし歯の進行段階によってC1〜C4に分かれることもありますが、学校の結果票では基本的に「C」と一括して記載されます。C1は表面のエナメル質に限られた初期の穴、C4は歯の根だけ残った末期の状態です。「C」と書かれていたら、早めの受診をお勧めします。そのままにしておくと、むし歯が進行するリスクが高まります。
初期のむし歯はフッ化物の利用に加えて適切なプラークコントロール等により回復することがありますが、進行すると歯を削ったり、歯の神経(歯髄)を取り去るような大きな治療が必要になります。だからこそ、早い段階で歯科医院を受診することが大切なんです。
「G(歯肉炎)」は子どもには関係ない?
「歯周病って、大人の病気じゃないの?」と思う方も多いのですが、そうではありません。歯みがきが十分でないと、歯垢(プラーク)が歯と歯肉の境目に増えていき、細菌が産生する毒素によって歯肉が腫れたり出血しやすくなります。これが「歯肉炎」(しにくえん)で、子どもにも十分起こりえます。
厚生労働省の資料によると、中学生・高校生における歯肉に炎症所見を有する者の割合は平成17年時点で25.1%、平成28年時点で19.8%となっており、20%を目標値として対策が継続されています。つまり、中高生の約5人に1人が歯肉炎のサインを持っているともいえます。「G」が書かれていたら、「将来の歯周病を防ぐための大切なサイン」として、早めに歯科医院を受診しましょう。
当院での見立ての流れ
セレッソオーラルケアクリニックでは、結果票を持参いただいた際に、まず個室カウンセリングルームにて結果の内容をわかりやすくご説明しています。専門用語を使わず、お子さまの口の中で何が起きているのか、なぜその状態になったのかを丁寧にお伝えしてから、治療の方針・費用・期間を明示しています。「結果票の記号の意味がよくわからなかった」という場合でも、安心してお越しください。
「CO(要観察)」は放置していい?どのくらいで受診すべきか
COは「むし歯の一歩手前」のサイン
要観察歯(CO)とは、視診にて明らかなう窩は確認できないが、むし歯の初期病変の徴候(白濁、白斑、褐色斑)が認められ、放置するとむし歯に進行すると考えられる歯のことです。つまり、穴は開いていないけれど、「このまま放っておくとむし歯になるかもしれない」という状態です。
COとは、歯の噛む面の小さな窪みや溝(咬合面小窩裂溝)の褐色状の着色、つるつるした面(平滑面)のざらざらした感じや白濁などを指します。したがってCOといわれた場合には、すぐに歯科医院を受診する必要はありません。
ただし、「受診しなくていい」とは違います。「急いで削る治療をしなくていい」という意味であって、「放っておいていい」ではないんです。ここが多くの方が誤解されるポイントです。
「再石灰化(さいせっかいか)」でCOが改善することがある
エナメル質の初期う蝕(う窩の形成はない状態)は表層下脱灰病変を生じますが、脱灰によって失われたミネラルを再び回復する再石灰化が十分に行われればう窩は生じません。
再石灰化とは、唾液の力や正しいフッ素ケアによって、溶けかけた歯の表面が元のミネラルを取り戻す自然の修復メカニズムのことです。これがうまく機能すれば、COの状態から健康な歯に近づくことも期待できます。
そのためには、次のようなセルフケアが鍵になります。
- 歯みがきの質を上げる:特に就寝前のブラッシングは丁寧に。汚れが残りやすい奥歯の溝や歯と歯の間を意識しましょう
- フッ素入り歯磨き粉を使う:年齢に応じた濃度のフッ素配合歯磨き粉を選び、磨いたあとは少量のうがいにとどめてフッ素を口の中に残すのがポイントです
- 間食の時間をコントロールする:だらだらと甘いものを食べ続けると口の中が酸性の状態が続き、再石灰化の妨げになります
- 夜だけはフロスを:歯と歯の間は歯ブラシだけでは届きません。週に数回ではなく、就寝前に1日1回を習慣にしてみてください
COでも歯科医院を受診すべき理由
学校歯科保健の分野で要観察歯(CO)が取り入れられたのは、地域の歯科医療機関と家庭が連携を密にして適切な指導・観察・管理を行うことにより、初期のう蝕病変を疑わせる歯が実質欠損(う窩)を伴うう蝕病変へ進行するのを予防することを目的としています。
つまり、COは「家庭でのケアと歯科医院での管理の両方が大切」という設計になっているんです。学校の短時間での検診では、どのくらい進んでいるか・本当にCOなのかまでは判断できません。歯科医院でレントゲンや拡大鏡を使って詳しく確認して初めて「治療が必要かどうか」がわかります。
受診の目安は、COの通知が来たら1〜2ヶ月以内が目安です。夏休み前に確認しておくと安心ですよ。なぜなら、夏休みは間食や生活リズムが変わりやすく、COがC(本格的なむし歯)に進みやすい時期だからです。
受診後の定期管理——検診を「一度きりのイベント」にしないために
学校検診はあくまでも「年1回のふるい分け」
令和5年度学校保健統計調査(確定値)によると、むし歯(う歯)の者の割合は小学校・高等学校で4割を下回り、幼稚園・中学校では3割を下回っています。数字だけ見ると「むし歯は減ってきている」と安心されるかもしれません。しかし、子どものう蝕は減っているものの、成人以降で治療が必要なう蝕を有している人の割合は全年齢を通じて高く、若いころからの予防が重要です。
学校検診は年1回ですが、お口の変化は毎日起きています。COがCになるのに数ヶ月かかることもあれば、急速に進行することもあります。「去年は何もなかったから大丈夫」と過信せず、定期的に歯科医院でチェックを受けることが大切です。
定期受診とPMTCでむし歯・歯肉炎を防ぐ
歯科医院での定期管理の柱は次の2つです。
| ケアの内容 | 目的 | 頻度の目安 |
|---|---|---|
| 定期検診(口腔内チェック) | 新たなCO・C・G・GOの早期発見 | 3〜6ヶ月に1回 |
| PMTC(プロによるクリーニング) | 家庭では落とせない汚れ・歯石の除去 | 3〜6ヶ月に1回(個人差あり) |
PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)とは、歯科衛生士が専用の機器を使って歯の表面を磨くプロのクリーニングのことです。どんなに丁寧に歯を磨いても、歯の溝や歯と歯の間には汚れが残りやすいもの。定期的にリセットしてあげることで、再石灰化が機能しやすい口内環境を保てます。
「子どもの検診をきっかけに、家族みんなで」
上本町エリアは小中学校・高校が集まる文教地区。お子さんの学校生活が忙しいほど、保護者の方もご自身の通院が後回しになりがちですよね。
セレッソオーラルケアクリニックは、赤ちゃん・こどもから成人・ご年配まで全世代に対応した総合歯科クリニックです。お子さんの受診に合わせて、保護者の方も同日に診ることができます。当院では医療法人社団 新心会グループのカルテ連携を活用しており、転居後も同じ治療環境で管理を継続できる体制を整えています。また、日曜診療(〜16:00)・土曜診療・夜間診療(平日20:00まで)にも対応しているため、学校・お仕事のスケジュールに合わせやすいのも特徴です。
まとめ
- 「CO」は穴の開いていない初期のサインで、すぐ削る治療は必要ないが、放置もNG。1〜2ヶ月以内に歯科医院で状態を確認し、フッ素ケア・食習慣・正しいフロス習慣を整えることで、再石灰化による改善が期待できます。
- 「C」「G」は早めの受診が必要。特に「G(歯肉炎)」は子どもにも起こりえます。中高生の約5人に1人に歯肉炎のサインがあるというデータ(厚生労働省)もあり、見逃さないことが大切です。
- 学校歯科検診は年1回のスクリーニングに過ぎません。令和5年度学校保健統計調査でもむし歯の割合は減少傾向ですが、成人後も含めると歯の健康リスクは続きます。3〜6ヶ月ごとの定期通院+PMTCが、歯を長く守るための方法です。
- 結果票の記号の意味は、当院で一緒に確認できます。個室カウンセリングで専門用語を使わず丁寧にご説明し、治療の必要性・費用・期間を事前にお伝えします。
検診結果の通知が届いたら、まずはセレッソオーラルケアクリニックへご相談ください。近鉄「大阪上本町駅」徒歩1分、大阪メトロ「谷町九丁目駅」徒歩5分と通いやすく、土日診療(日曜も16:00まで)、平日は夜20:00まで診療しています。お子さまの受診が初めての方も、親御さんご自身のお口の不安も、どうぞ同日にご相談ください。お電話は 06-6796-9268 にて承っております。
はじめて受診される方は、初めての方へ(初診の流れ)もあわせてご覧ください。
参考文献
[1] 文部科学省「令和5年度学校保健統計(学校保健統計調査の結果)確定値」mext.go.jp
[2] 厚生労働省「フッ化物洗口マニュアル(2022年版)」mhlw.go.jp
[3] 厚生労働省「歯科口腔保健の推進に関する専門委員会 参考資料(令和4年5月17日)」mhlw.go.jp
[4] e-ヘルスネット(厚生労働省)「むし歯」kennet.mhlw.go.jp
[5] 日本学校歯科医会「学校歯科健康診断」nichigakushi.or.jp
[6] 日本学校歯科医会「"CO・GO" の資料・ページ」nichigakushi.or.jp



