模試や過去問に集中したいこの時期、歯の痛みでページに手がつかなくなってしまう受験生さん、そしてそれを見守る保護者の方も多いのではないでしょうか。「虫歯かな」「でも痛いのは一瞬だけ」「集中しているとギリッと噛んでいる」……そんな心当たりがあれば、それは食いしばりや知覚過敏かもしれません。今日は、原因の見分け方とご家庭でできるケアを一緒に整理していきますね。
受験前に歯が痛むのは、緊張で食いしばりが増えるからです
受験前は緊張や睡眠不足が重なり、無意識のうちに歯を強く噛み合わせる時間が増えます。これが歯や歯ぐきに負担をかけ、痛みやしみる感覚につながることがあります。まずは「なぜ受験期に起こりやすいのか」を知っておきましょう。
ストレスで顎に力が入りやすくなる
厚生労働省の働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」では、歯科に関連するトラブルはストレスの大きな原因となるだけでなく、全身のストレスが顎関節症や歯周病など様々な歯科疾患の発症・増悪因子であることが広く知られていると紹介されています[3]。過去問や模試に向き合う時間が長くなるほど、集中と緊張が続き、顎の筋肉がこわばりやすくなるのです。
集中しているときほど上下の歯が触れ合いやすい
普段、上下の歯は接触していない時間の方が長いのが自然な状態です。神奈川県歯科医師会は、平常の安静時には上下の歯列間に1~3㎜の隙間があり、上下の歯が接触するのは物をかむ時と飲み込む時だけであると説明しています[2]。それ以外の時間に歯を接触させ続ける癖は「歯列接触癖(TCH)」と呼ばれ、勉強に集中しているときほど無意識に起こりやすい癖です。
当院では個室カウンセリングで生活リズムから原因を探ります
当院では個室のカウンセリングルームを設けており、専門用語を使わずに、いつ・どんな場面で痛みが出るかを一緒に振り返りながら原因を探っていきます。塾や自宅学習のスケジュールも含めてお話しいただくことで、食いしばりのタイミングが見えてくることも少なくありません。
食いしばりと知覚過敏は「痛むタイミング」で見分けられます
痛みが出る場面をよく思い出してみると、食いしばりと知覚過敏はある程度見分けがつきます。ポイントは「噛んだときに痛いか」「冷たいものでしみるか」の違いです。
食いしばりは噛む・起床後にズーンと重い痛みが出やすい
食いしばりが原因の場合、噛み合わせたときや、朝起きたときに歯や顎がだるく重い痛みを感じることが多いです。日本歯科医師会のサイトでも、むし歯や歯の神経の炎症がない場合にみられる痛みとして知覚過敏が説明されていますが、器具でこすったり冷たいものに触れたりすると痛むとされています[1]。食いしばりで歯がすり減ることも、知覚過敏の引き金になり得ます。
知覚過敏は冷たいもの・風でキーンと一過性にしみる
知覚過敏の特徴は、冷たい飲み物や風があたったときに一瞬キーンとしみて、しばらくすると治まることです。噛んだときにズーンと重く続く痛みとは感覚が異なります。
以下の表で、痛みの出方の目安を整理しました。
| 項目 | 食いしばりによる痛み | 知覚過敏による痛み |
|---|---|---|
| 出やすい場面 | 噛んだとき・起床後 | 冷たいもの・風にあたったとき |
| 痛みの感じ方 | 重く、じんわり続く | キーンと鋭く一瞬 |
| 持続時間 | 数十分〜半日続くことも | 数秒〜1分程度で消える |
| 痛む場所 | 歯全体・顎まで広がる | 特定の歯・歯の根元 |
判断しにくいときはCTとマイクロスコープで確認します
見分けが難しい場合、当院ではCTスキャンやマイクロスコープを使い、歯のひび割れや神経の状態を細かく確認しています。自己判断で市販薬だけに頼るより、早めに状態を確認しておくと安心につながります。歯周病が進んでいる可能性もあるため、気になる方は歯周病って進行するとどうなる?治療に必要な設備と通院の流れも参考にしてみてください。
自宅でできるセルフケアと、受験期に避けたいNG行動
痛みを和らげるには、日中の癖を意識することと、寝る前の少しの工夫が効果的です。反対に、この時期に無意識にやってしまいがちなNG行動もあるので、一緒に確認していきましょう。
「歯を離す」を合図にする紙を目に入る場所に貼る
TCH(歯列接触癖)は無意識の癖なので、意識するきっかけを作ることが第一歩です。机の隅や参考書の表紙など、よく目にする場所に「歯を離す」と書いた小さな紙を貼っておくと、ふと気づいたときに顎の力を抜けるようになりますよ。「こころの耳」のコラムでも、ストレスが強く疲労困憊した状態や眠りが浅くなる状況では、歯ぎしりや食いしばりが助長されやすいと説明されています[4]。睡眠時間の確保も、実はセルフケアの一つなんです。
就寝前は知覚過敏用の歯磨き粉と冷やしすぎない習慣を
夜は交感神経が緊張したまま眠りにつくと、歯ぎしりが強まりやすい傾向があります。就寝前に知覚過敏用の歯磨き粉でやさしく磨き、冷たい飲み物を飲み過ぎない習慣にしてみてください。フロスは毎日でなくても、夜だけはフロスを通す時間を作ると、歯ぐきの負担も減っていきますよ。
硬いものを丸呑み・冷たいものの一気飲みは避けたい
受験期は食事の時間が不規則になりがちですが、氷をガリガリ噛む、冷たいものを一気に流し込むといった行動は、しみる症状を強めてしまうことがあります。硬いお菓子で無意識に力を入れて噛む癖も、この時期はできるだけ控えておきたいですね。
受験前の歯のチェックは、いつ・何を見ればいい?
出願や本番の直前になって歯の痛みが出ると、勉強に集中しづらくなってしまいます。できれば模試や過去問演習が本格化する前の段階で、一度チェックしておくと安心です。
出願前・冬休み前の2つのタイミングでチェックを
大きな山場を迎える前、たとえば出願準備の時期や冬休みに入る前に一度歯の状態を見ておくと、痛みが強くなる前に対処できます。定期的なチェックの大切さについては定期検診は本当に必要?受診頻度の目安と続けるメリットでも詳しく触れています。
塾帰りでも相談しやすい平日20時までの診療時間
当院は平日10:00〜13:00・14:30〜20:00、土日も9:00〜13:00・14:00〜17:00(日曜は16時まで)で診療しており、塾や予備校の帰りにも立ち寄りやすい時間帯です。土日しか時間が取れない方の受診の考え方は土日しか時間が取れない方へ——谷町九丁目・上本町エリアで休日受診を考えるときの判断軸にまとめています。
週末に急に痛みが出たときの対処も知っておくと安心
模試の日など週末に痛みが強くなることもあります。そうしたときの受診先の探し方は日曜日に急に歯が痛くなったら?上本町で受診できる歯科の見つけ方や夜間に歯のトラブルが起きたとき、上本町エリアで頼れる歯科医院はある?も併せてご覧いただくと、いざというときの安心材料になると思います。
まとめ
- 受験期の歯の痛みは、緊張による食いしばりやTCH(歯列接触癖)が背景にあることが多い
- 食いしばりは噛んだとき・起床後に重く続く痛み、知覚過敏は冷たいもの・風でキーンと一瞬しみる痛みという違いがある
- 日中は「歯を離す」意識づけ、夜はフロスと知覚過敏用歯磨き粉といった小さな習慣の積み重ねが痛みの軽減につながる
- 当院は平日20時まで・土日診療にも対応しており、塾帰りや模試前でも相談しやすい体制を整えている
- 見分けにくい痛みはCTやマイクロスコープでの確認が安心につながる
受験直前の集中力を歯の痛みで削られる前に、早めにご相談いただくことをおすすめします。上本町I'S歯科・矯正歯科(大阪市天王寺区上本町6丁目1-82、近鉄「大阪上本町駅」徒歩3分)では、個室カウンセリングルームで専門用語を使わずお話をお伺いしています。まずは初めての方へ(初診の流れ)をご確認いただき、お気軽にお電話(06-6796-9268)でご相談ください。
参考文献
[1] 日本歯科医師会「知覚過敏」テーマパーク8020 jda.or.jp
[2] 神奈川県歯科医師会「歯のかみしめおよび歯列接触癖(TCH)について」dent-kng.or.jp
[3] 厚生労働省 こころの耳「No.2 ストレスと口の健康」kokoro.mhlw.go.jp
[4] 厚生労働省 こころの耳「No.4 ストレスと歯・口腔の健康」kokoro.mhlw.go.jp
